任侠病院(にんきょうびょういん)
今野敏(こんのびん)著 実業之日本社
雨の日は読書に限る,ということで図書館から借りてきた。
題名を見ただけでは何のことだかわからない。経営者がやくざなのか!?
ではなく,経営危機に陥った病院を任侠を重んじる古いタイプのやくざが助けて,立ち直らせるという話。実はその経営危機を招いていたのも同業者。
派手なアクションやスリルのある展開はないが,登場する人々の真摯?な生き方が互いに通じ合うところの描き方がいい。
「任侠」。今やその世界でも死語だろうなあ。
やくざを肯定しているわけではないが,古き時代の日本人が共通して持っていた”任侠への憧憬”も描きたかったのかもしれない。
次作も”任侠”シリーズを読んでみようと思う。